1997年 劇場用映画 『プープーの物語』



製作/配給:株式会社リトルモア
製作協力 :東京テアトル株式会社
      フィルムメイカーズ株式会社

1998年 劇場公開作品/カラー/ヴィスタビジョンサイズ/73分
ビデオはVAPより、DVDはパイオニアLDCより発売中


“親はなくても子は育つ”

むかしむかしのその昔、私の映画とビデオの台本にケンサクがいる。
ケンサクは渋谷の捨て子で拾ったのは破天荒の映画屋、みどころあり、
と言うがその前に、背高ノッポが気に入らぬ。
上から下にこっちを見下ろせば、こっちはあっちを下から上に見上げる。
脇から見るあっちとこっちの構図はさまにならぬと捨て措いたら…
…何だこりゃ2ツのオッパイ、何だありゃあトランクマン!?
ホモが子を産み殺し屋が殺され屋で不倫セクハラ男が能足りんで、
ノッポ総身に知恵がまわるわまわるわアクションの面白をかしの落としは、
二人の堕天使・妖精の悪だくみの快感。
あるようでないような物語り(幻想)とないようであるような物語(愛)の
プープーの物語は女神への祭文歌、大きな声では言えぬがこれぞ
ゲイジュツのハシリ。
爆発寸前の若いエネルギーを素朴と繊細に封じ込め、風(プー)と吹きや
屁(プー)とひる心身共に爽快感を与える奇妙だが納得させる監督術は
抜群で、絵がい々よ音がい々よ役者がい々よ、捨て子はい々よ、
ケンサクは茶髪である。

映画監督 鈴木清順